似て非なるもの 3
キノコの世界は奥が深く、複雑だ。好天に誘われ、昼休み、と称して2時間ほど山に入る毎日である。9月の残暑が影響しているのか、私の腕が悪いのか、収穫は少ない。
一昨日、シロハツ、とおぼしきものを採ってきた。お吸い物にピッタリ、と物の本に書いてある。「それそれ、今晩は、永谷園じゃないぞ」と意気込んでいた。しかし、もしやと思い、博士に尋ねた。曰く、
「桜井さん、これねえ、カワリシロハツ、と言ってね、辛くて、大変辛くてね、食べられませんよ。残念」
キノコの世界には、何々モドキ、とか、カワリ何々、とか、ニセ何々、とか多いんだよなあ。何れの世界も難しいですなあ。
新聞に紹介されていた寺田寅彦。夏目漱石から教えてもらったこと二つ。
「自然の美しさを自分の目で発見すること。人間の心の中の真なるものと偽なるものと見分け、そうして真なるものを愛すること。この二つである。」
健胃生薬である。本物は苦いのだ。
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