新潟県柏崎市の桜井雅浩です
2泊3日で東京へ行って来た。目的は二つ。一つは東大で開かれたグローバルCOEプログラム、「世界を先導する原子力教育研究イニシアチブ」に参加するため、もう一つは江戸東京博物館で開かれている、文豪・夏目漱石展を見てくるため。
前者は原子力委員会委員長も原子力安全委員会委員長も出席していらっしゃった。研究者たちが中心の会なのだが、要は、科学技術の最たるものである原子力発電とそれを受け入れる一般的な知識しか持ち合わせない私たち国民からなる社会がいかに調和できるか、と言うテーマであった。技術者の立場、教育者、研究者の立場からいえば、高い専門性を伴った、必要にして欠かすことが出来ない技術を、いかにより分かりやすく国民に伝えていくのか、信頼を得ていくのか、それを為さずして、原子力の将来は成り立たない、と言うことなのだろう。
私も、安全委員長に質問してみた。
私は柏崎の桜井雅浩と申します。3年前まで市議会議員をさせて頂いておりました。約14年です。その間、原子力、また核燃料サイクルを認める、と言うと僭越な言い方ですが、理解する立場で活動してきました。質問は二つあります。
一つは、今回の中越「沖」地震において、原発に関わるものの中で、私にとって一番重要だと思われるのは、地盤に関するところです。旧指針の上では活断層の上には原子力発電所は建てないと書かれています。しかし、今現在、柏崎原発が活断層の真上かそうでないかは別として、ごく近くに活断層があることがまず間違いないところであると認識しています。確かに新しい指針では活断層の上に云々という記述はありません。地震が起こったときにそれに耐えうるような構造設計を、という書かれ方だと思います。私はそれはそれで理解できます。しかし、柏崎原発は旧指針に基づいて建てられたものです。活断層の上には原発を建てないと書かれていた、それを前提にしていたわけです。私は、こういった事態をどのように理解していけばよいのか分からないのです。教えて頂きたい。
二つ目は、原子力規制の問題です。今回のシンポジウムは「社会と原子力との調和を目指して」というテーマで開かれています。私は、前から、原子力安全・保安院と原子力安全委員会とのダブルチェックと言われるものは見直した方がよいと言い続けています。原子力安全・ナカグロ保安院はリンナイ、パロマの案件も扱うところです。原子力専門の規制機関ではありません。また、名は体を表す、と言うことではありませんが、原子力アンゼン保安院、原子力アンゼン委員会、ご存じの通りアメリカは原子力規制委員会です。私は、アンゼン委員会もキセイ委員会に変え、陣容を強化し、執行力を持った、三条委員会にするべきだと考えています。そのほうが長い目で見たとき、日本の原子力を良い方向に向かわせるのではないかと思うのです。こういった原子力規制の組織体系について、代表するお立場でどのように考えておられるかお聞かせ願いたい。
以上のように発言した。(思い出しながらなので正確ではない)答えは丁寧に頂いたのだが、録音しているわけではなく、人様の発言なので、書かない。印象として、一つ目の答えは、答えるのも苦しいなあ、という印象。二つ目の答えは、検討の余地あり、という印象。
経産省や総務省の方々とも話してきたが、残念ながら私が、今現在、どうにも解決できない、組み立てられないでいる課題への答えを聞くことは出来なかった。残念であった。私は、地盤、活断層に関する国も明確な説明が旧指針との関係において為されない限り、率直な言葉が聞かれない限り、「止める」「冷やす」「閉じこめる」の三原則が機能した、大丈夫だったではないか、想定震度を超えても安全余裕を何倍も見込んであるので大丈夫なのだ、という説明が聞かされても、それは単なる結果オーライじゃないか、それではいかにもお粗末だろう、という感想しか持ち得ない。それが、私がかつて「アナーキストでも無い限り最後には国を信じるしかないじゃないですか」と言った「国」なのだろうか。先進国と呼ばれる、日本の答え方なのだろうか。
「活断層というのは、それが地上に露出するようなものをいうのであって、地下十何キロにあるようなものは活断層と言わないのです。そういう理解だったのです、旧指針は」 、といわれても、それは単なる詭弁であって、もしそうであるならば、その時点で分かりやすく伝えておくことが国に求められていたはずだ。
夏目漱石展に行って改めて気づかされたこと。
漱石の自筆原稿を見ても書簡を見ても絵を見ても蔵書を見ても、漱石の人となりを感じることが出来るだけであって、バックグラウンドを知ることが出来るだけであって、漱石の文学、思想を理解は出来ない、という当たり前の事実だった。漱石の本を読まなければならない。
本にすべてがある。原子力発電所の問題も本質を考えなければならないと思う。そのことが柏崎のためになる。敢えて書けば柏崎経済にも資することとなる。
3日間、友人・知人と交わした会話は、頂いた示唆は、何よりであった。本当にありがとうございました。
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