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2007年10月30日 (火)

3人のお年寄り・1匹の老犬

 久しぶりにゆっくり寝た。ハッピーを自転車小屋の方に入れ、断熱材を敷き、更にアクリルで出来た小さな寝室小屋(1480円)を用意した。夜鳴きすることもなかった。私が作った高気密・高断熱の御殿は昼間専用となった。

 このことを教えて頂いたのは朝の散歩で出会うお年寄りである。もう何十年も犬を飼っていらっしゃるこの方に伺ったのだ。

 「桜井さん、そりゃ寂しいんだ。犬はやっぱり寂しいんだ。特に老犬ともなればなおさらなんだ。家に入れてやりなせ。人の声が聞こえるとこに入れてやりなせ」

 今朝、お互い熟睡から目覚め、散歩させるとハッピーの脚はヨロヨロしている。もう限界に近いのだろう。そうすると2,3日前まで叱りつけたことが思い出される。「ハッピーも寂しかったんだ。悪かったなあ」

 お二人の女性。

 畏兄のお母さん。先般久しぶりにお元気な様子を拝見した。

 「桜井さんねえ、あなた今何やっているの?塾?ああそう、そっちの方が性に合っているの?」
 「私ねえ、亡くなったお父さん(ご主人)が自分では何にも出来ない人だったから、私が何でもやってきたの。そしたらお父さんが『お母さんは何でも出来るんだなあ』って言うのよ。けど、そのお父さんは私のことを1度も怒ったことがなかったの。そう、ホント大らかな人だったの。だから、私ね、生まれ変わってもまた、お父さんと一緒になるの。こんな事、『のろけてる』なんて言う人には私言わないの。私、人を見て言っているの」

 その晩、私は久しぶりに本当に久しぶりに、本当につまらないことで、女房を怒った。人生うまくいかない。

 もうお一人の女性。白洲正子さん。

 今朝の教育テレビで細川護煕氏が白洲さんを語る番組があった。私は随分前、白洲さんの本を2冊ほど読んでいる。西行に関するものだ。正直余り感心しなかった。細川氏が何度も紹介していた白洲さんの言葉。

 「人は孤独になって初めて寂しさがわかる。初めて愛がわかる。人に優しくできる」

 北面の武士という、いわばエリートの地位を捨て、妻子を捨て、出家した西行を重ねての言葉なのだろう。

 さて、私は詰まらぬ事で女房に大きな声を上げ、出家も出来ない。ただ、ハッピーの気持ちはよく分かるようになった。

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